理事長紹介

一般社団法人 小牧青年会議所

2017年度 第46代理事長

金和 未穗

理事長所信

 

【 ~伝統~ 燈火を伝える 】

最澄が天台宗を開いた時、この願いを込めて灯された燈火は1200年もの永きに亘り不滅の法灯として比叡山延暦寺に現在も静かに存在しています。その燈火は最澄の志の象徴とされ最澄の教えを後世に伝える為に常に新しい油を注ぎ足していく事で灯され続けることから伝燈と言われ、伝統の語源はここからきているとされています。気の緩みで油を注ぐことを怠れば当然いとも簡単にその灯は消えてしまうことから油断と言うのです。不滅の法灯は時に時代の風の前に激しく燃え、時に消えそうになりながらも志を守り続けた先人たちの不断の努力が眩い光芒を放ち1200年の時を超え現在でも多くの人々の心を惹きつけているのです。

1915年、今を遡る事100余年前。アメリカのセントルイスの地でヘンリー・ギッセンバイヤーというたった一人の熱き青年の手により青年会議所は誕生しました。その情熱の燈火はやがて日本にも灯り、戦後荒廃の中「新日本の再建は我々青年の仕事である」とした高い志を持つ青年たちの手によって「修練・奉仕・友情」の三信条の精神を纏い、1949年、日本青年会議所が誕生し瞬く間に日本全国に灯されました。そして、1972年「明るい豊かな社会の実現」を目指すべく小牧青年会議所は設立され、先輩諸兄によって46年の永きに亘り、新たなエネルギー「人・運動」を注ぎ足しながら地域に根付いた様々な運動を展開し、小牧のまちを明るく照らし続けて参りました。不断の努力で守り続けた不滅の法灯の如く、いつの時代においても志を貫き、伝統という名の尊い燈火が小牧青年会議所の象徴であり私たち現役メンバーの誇り、そして大きな支えとなっているのです。

昨年、一般社団法人小牧青年会議所は45周年の節目を迎えました。今一度、先輩諸兄が積み上げてきた歴史と伝統、信頼の上に私たちがいることに感謝をし、決して忘れてはなりません。そして、その教えを忠実に守り、次代に伝え、決して油断することなく、時代に即したエネルギーを注ぎ続けることでこれから続く10年、100年先の「明るい豊かな小牧」が実現可能となるのです。私たちは時代の先駆者として、また「一隅を照らす」存在として英知と勇気と情熱をもってこのまちを照らす情熱の燈火となるべく未来を示し、「明るい豊かな小牧」の実現に邁進する事をここにお誓い申し上げます。

 

【 「一即一切・一切即一」 】 

組織とは目的を完遂するために存在し、如何なる組織においてもその組織を構成するのは人であり、物事を円滑に進め目的を完遂するうえでルールも必ず存在します。ルールを遵守する人の健全な価値観こそ円滑な組織運営においての礎となり盤石な組織基盤形成において重要であると考えます。その健全な価値観とは正しく当たり前の事を当たり前に行う、凡事徹底を怠ることない強固な意志に他なりません。

私たち青年会議所の組織は20歳から40歳までの地域経済を支える青年男女により構成されています。多種多様な考えと職種が集い、青年らしく溌剌とした組織であるために単年度制という特制も設けられていますが組織編成や担いも毎年かわる為、一定の水準を保つことも容易ではありません。

メンバーには、誰の誰による誰の為の組織かを考え、誰欠けることなく組織全体を構成する一人としての自覚を持って頂きたいと考えます。全体は個を包括し、また個が全体を形成するという「一即一切・一切即一」の精神で健全な価値観を持ってルールを遵守し凡事徹底した組織運営に努める事が自己の修練となり、また外への情報発信も一歩先を見据えた大胆かつ効果的な発信を迅速に打つ、その積み重ねが小牧青年会議所の継続と発展の鍵となるのです。

 

【 共鳴組織の構築を目指して 】

自己を研鑽する。限られた青年会議所活動においてメンバーと共に一意専心し取り組むべき事であると考えます。またそういった環境に身を置くことが出来る青年会議所の特性の一つに出向があります。この組織に属していれば自然と磨かれる、自然と成長できる訳ではありません。自ら進んで広い大海原に一歩踏み出す事で、広い視野と深い見識を体得し運動家として成長するチャンスが出向にはあるのです。また、多くの対外事業への参画を通じて愛知県内だけでなく全国各地そして世界の多くの同志との友情を育むことができるチャンスも限られた活動の中でしか得られないものの一つです。そのチャンスを活かし、繋がりで得た学び、刺激こそ更なる自己研鑽の一助となるのです。

小牧青年会議所は「公益社団法人日本青年会議所東海地区協議会2013年度第40回JC青年の船『とうかい号』」の事務局主管という大役を担わせていただきました。その当時、第40船という節目に青年会議所最大規模と言われるこの事業の事務局を小牧青年会議所の会員数で賄うのは到底及ばないとされていました。しかし、窮地の状況でもチャンスと捉え、小牧青年会議所の威信をかけLOM一丸となり目的に向かって不眠不休で打ち込むメンバー、それを支えるメンバーの献身的な姿勢が活動に消極的だった私の心を突き動かしました。自ら一歩踏み出し、自己研鑽に励みステップアップするメンバーの成長を肌で感じ、痛い程の刺激を受ける中でこれ程までに自分にとってこの経験が大きな意識変革のきっかけとなったことは言うまでもありません。

やはり大きな事を成し得るには一人の力には限界があり、人は人の支えの中で成長できるものです。時として、進むべき道に迷い、その方向に違いがあったとしてもメンバーの力強いサポートが足元を照らし背中を押してくれるのです。

そうした出向経験や対外事業への積極的な参画を通じて、活躍し成長するメンバーと活躍を支える中で成長するメンバーがそれぞれ得た学びを共有し、培った友情を繋げ互いに認め、高め合う。共鳴し合うメンバー、共鳴組織の構築を目指し、このまちを動かす運動家としての第一歩を踏み出すべく、未だここにない出会い、ここにいない新しい自分に出会うチャンスを自ら掴みとることがJAYCEEとしてのスタートの第一歩なのです。

 

【 増と強のスパイラルアップ 】

小牧青年会議所が46年の歴史と伝統を有し、このまちと共に発展を成し遂げることが出来たのは、紛れもなく志高きメンバーがいてこそ。志高き会員なくしてこの組織の存続、このまちの発展はありえません。その為には、JC運動の源泉でもある志高き会員、共に歩む仲間が必要不可欠となるのです。小牧青年会議所には現在40名弱の会員が在籍しており、活動年数、経験値は浅くとも活気溢れるメンバーが多く在籍しています。近年女性会員の活躍も目立ち、男性会員と肩を並べ逞しく活動する姿は他のLOMからも一目置かれています。

しかし、そんな小牧青年会議所も会員の減少に年々歯止めがかからない現状にあり組織の弱体化も否めません。こうした負のスパイラルに陥る前に今ここで増と強のスパイラルアップを目指ざし組織が抱えている問題を洗い出し、いち早く改善しなければならないと考えます。また、会員の拡大は基本運動と言われていますが、私は本来、メンバー全員が志高き青年としたならば拡大運動は自然発生的運動でなくてはならないと思います。しかしながらこの基本運動がメンバーにとって機能していないのが事実です。市民意識変革団体と言われながらもそれが機能していない起因として自身の身近な人、家族や社員、友人などの青年会議所に対する魅力を理解してもらう働きかけと活動支援が希薄である事が一つだと考えます。いくらメンバー同士の絆が深かろうと活動、運動に日々励んでいようと外から理解されなければ単なる自己満足の組織。やはり自ら選んだこの青年会議所という道に迷いがあると中々理解されにくいものです。専ら自分だけが頑張っているわけではなく青年会議所活動をさせてもらう中で家を守る家族、会社を守る社員がいてこそ精一杯活動に専念できるのも決して忘れてはいけません。また、青年会議所の魅力は活動経験したものにしか分からないようではいけないですし経験してない人にこそ活動を理解してもらい私たちが目指す運動、描く夢に共感し賛同してもらう事が会員拡大において大前提であると考えます。

今一度考えて頂きたい。自ら選んだ青年会議所の道、何故選び、何故ここにいるのかを。自らとことん突き詰め、仲間と議論を交わし、出てくる答えの中に見えてくる何かがきっとあるはずです。自分だけが持っている、小牧青年会議所だけが持っている強みを魅力とし、仲間と共に声に言葉に行動もって示す事できっと私たちに賛同し活動を共にする新たな仲間が自然と集まると確信しています。そうした自然発生的運動が基軸となることで私たちとこのまちが力強く結びつくスパイラルアップとなり「明るい豊かな小牧」に向かって加速する底力となるのです。

 

 【 エネルギー溢れるJAYCEE 】

「歴史と技術が育むまち」小牧市は尾張三英傑信長公の遺構である小牧城、そして日本三大地鶏の一つ名古屋コーチン発祥の地としての歴史を有し、高度経済成長期には強固な地盤を活かし企業誘致に積極的に取り組み、1972年小牧青年会議所が設立された同年には日本発となる小牧ジャンクションが誕生しました。交通・物流の動脈として日本経済の発展を支えこのまちも中核産業都市として著しい成長を遂げると共に小牧青年会議所も市民に寄り添い手を取り合いながら様々な運動を展開し目覚ましい経済の発展とまちの成長を遂げて参りました。

私たち青年会議所はまちづくり団体とも言われていますがその前にひとり一人が地域の経済を支える青年経済人でもあります。見渡せば全国で32000人近くの同志が集うこの組織。皆、それぞれの地域で得意とする分野で社会奉仕活動や地域再興に取り組み、実践から得た学びなどを地域そして会社や企業へとフィードバックし経済の発展とまちの発展国の繁栄の為に活動している仲間たちがたくさんいる組織でもあるのです。しかし、社会は成熟し経済状況も停滞感漂う現在、まちに対しても夢や未来を描くもどこか人任せで、まるで温室にいるかの様なぬるい風に慣れを感じている人も少なくないはず。この慣れこそ一番怖いものであり、そして時代の新風を吹き込むエネルギーとしてこの現状を打破するにはやはり、未来を切り拓く力をもったJYACEEの育成が絶えず必要となるのです。

限られた時間の中でしか歩むことの許されないJAYCEEである今だからこそ、青年経済人として自分の立ち位置を見つめ直し、この恵まれた環境、豊かな土壌が当たり前として存在するわけではなく、経済の発展、まちの発展の為に邁進してきた先達の熱き魂、生き方に触れる事でJAYCEEとしての資質がより磨かれるのです。そして、青年会議所活動をもって己を磨き上げ続けることが人を動かしまちを動かす為エネルギー源としての自身の基礎代謝を上げる最高の手段であると思います。

社業に活かせること企業を伸ばすチャンスはいくらでもありますし、青年経済人として学ぶべき知識や必要な力はここに無限にあるのです。JAYCEEとして、また青年経済人としての歯車を合わせ、地域に向け発揮する力を兼ね備えたエネルギー溢れるJAYCEEの育成に取り組むことでこのまち、この国の更なる発展と繁栄に繋がるのです。

 

【 自重互敬の心を共に育む 】

多文化社会、多様性社会が進みグローバリゼーション時代へ突入した現在、大きな転換期を迎えつつあると感じます。ヒト・モノ・コト・カネ・技術においても予測できない時代へとなり、予測できない時代でも未来は必ず存在し、その未来は誰にとっても平等でありそして希望に満ち溢れていなければならないと考えます。しかし、希望の芽を摘む由々しき問題として日本だけでなく世界各国で未だ障害者やセクシャルマイノリティー、人種差別などに対する偏見、いじめ、ヘイトクライムによる弊害に苦しむ人、そして命を絶つ人や命を奪われる人も少なくはありません。また、社会を混乱させるごく少数の歪んだ思想、過激な行動が度々メディアに取り上げられそれに影響されて起こる残酷な事件も少なくはありません。しかしながら、まだ記憶に新しい2016年開催されたリオ五輪では人種、性別、国境を超え多様性を認め合う事をテーマの一つとして掲げセクシャルマイノリティーの選手も世界各国多く活躍し、同年開催のパラリンピックでも障害を力強く乗り越えて活躍する美しい姿は私たちの胸を熱くさせてくれました。2020年、東京五輪は手を伸ばせばもうすぐそこにある未来です。今ここで、あらゆる偏見、差別を取り除き世界各国の様々な人たちが快適に笑顔で過ごせるような先進国日本の「おもてなし」が試される時だと感じます。私たち日本人は悠久の歴史と伝統文化の中で形成された道徳観、そしてあらゆる国の文化や宗教などを受け入れ日本独自のものにしてきた寛容性を持ち合わせた民族であります。そうした日本人の精神性は今この多文化社会、多様性社会が加速するグローバリゼーション時代において必要になると感じています。

私たちは責任世代として、あらゆる事象対し惑わされる事なくしっかりと未来を見据えなくてはなりません。そして問題に目をそらさず耳を傾け、自分を省み、個を尊重し認め合う心「自重互敬」の心を持って問題解決に取り組む事で未来を明るく照らし、希望に満ち溢れた世界を創り出すと考えます。また、子どもは未来を映す鏡。そんな未来を担う子ども達においても「個」から「公」を担う成長過程の中で自分がこれからこのまち、この国を支える「公」としての精神を涵養しあらゆる問題に対し広い視野で自分事と捉え、互いを敬う心を持って果敢に取り組む事で先進国日本の「おもてなし」が発揮され10年、100年先へと続く平等で偏見のない希望と笑顔に満ち溢れた明るい世界に繋がっていくと確信しています。

 

【 結びに 】

国の宝とは何物ぞ 宝とは道心なり

道心ある人を名付けて国宝と為す

故に古人の言わく 径寸十枚 是れ国宝に非ず

一隅を照らす 此れ則ち国宝なり

『山家学生式』一文より 

人生は選択の連続。自分で選んだ道、信じた道を進んでいくのは

“わたし”そして“あなた”です。

そして選択肢の多いこの時代、

“どの道を選ぶかより、選んだ道をどう生きるか”が大切なことではないでしょうか。

“わたし”が選んだ青年会議所の道は歩める時間が限られた尊い道。しかし、

この道には“あなた”という力強い仲間と共に歩むことが許される尊い道でもあります。

だからこそ、失敗しても、傷ついても成功が約束されなくても仲間と共に歩む事が出来るこの尊い時間、尊い道を大切に思い、おもいっきり突き進む事で混沌とした未知の可能性切り拓く事が出来るのではないでしょうか。

“わたし”そして“あなた”のその覚悟が「志」となり、情熱の燈火として道を照らし

人類全ての希望の光、眩い光芒を放つ不滅の法灯の様に…

そして“一隅を照らす人”を目指して…